2003/06/19 (木)
雑誌やテレビとか見ても六本木ヒルズの話題ですごいですね、世間は。 丸ビルだとか汐留だとか六本木ヒルズだとか、再開発の進行が著しい中、日本における都市開発観というか建築観みたいなものがますます気になります。
俺自身最近はやりのカッコイイ、モダンな建築・デザインはたまらなく好きなんですが、どれもやっぱり西洋的なものが多いですよね。例えば、汐留でも六本木ヒルズでも、目隠し状態で連れて行かれて、「ハイ、シカゴへようこそ!」なんて言われたら、意外と「おお、シカゴなのかここは!」なんて一瞬信じてしまうかもしれません。
以前から「日本における現代的建築の日本的要素、って具体的にはどのあたりなんだろう?」という素朴な疑問を持ち続けているんですよね。 よく言う「日本っぽさ」だとか「純日本的」みたいな言葉を定義するとしても、やはり時代によってかなり内容も変わってくるものだと思います。(そもそも「〜らしさ」というものを一律に定義すること自体不可能な気がしますが。)お得意の極論になりますが、それでも俺の「なんとなく」な感覚でイメージすると欧米諸国の影響をさほど大きく受けていないぐらいの時代(それこそ武士とか町人とかの時代)まで遡ってしまうんです。(極端・短絡的な歴史観と言ってしまえばそれまでなのですが‥。)
明治大正と急激に欧米の様式が輸入されたわけですが(例えば大正ロマン)、現在にいたるまでの戦後数十年の方が明らかに欧米化の傾向が激しい気がします。でもだからと言って、今更都心に敢えて日本の古典・中世の建築様式を復興しようというのもおかしな話ですよね。きっと逆に和が保てなくなってしまうわけで。それに恐らく日本における近現代建築様式自体が、そもそも欧米の影響を抜きにしては語れないのでしょうから。
それでも、素人からしてみると、現代それも近年の超モダンな建造物の建立や再開発ラッシュからは、曖昧なイメージとしての「日本らしさ」さえも感じられにくい気がします。どこへ行ってしまうんだ、この先?みたいな。必然的に先ほどの疑問がますます膨らんでしまうんです。 未来を描いた映画での都市の形って、どれも一見すると「カッコイイ」けど、「らしさ」みたいなものが完全に抜け落ちた無機質なデザインが多いですよね。ひょっとしたら、未来における「コスモポリタン」みたいなイメージを強調した結果なのかもしれませんが、これもまた定義するには難しそうな言葉ですよね。日本でももいずれ本当にああいう風景があちらこちらで見られるようになってしまうのかもしれないな、とちょっと思ってしまいます。
新生六本木や汐留に実際に足を運んでみればまた違ったことも感じられるのかもしれません。
お台場は未だ好きになれず。
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